2025年春、日本経済は「インフレの持続」と「景気後退リスク」という2つの相反する課題に直面しています。この記事では、直近の物価・景気動向、そして日本銀行の金融政策の対応をわかりやすくまとめました。
■ 物価上昇が続く:インフレは一時的か、それとも定着か?
2025年4月の**コア消費者物価指数(CPI)**は、前年比+3.4%と3ヵ月連続で上昇加速。特に以下の要因が影響しています:
- エネルギー補助金の縮小
- 食料品・サービス価格の上昇
- 企業のコスト転嫁(原材料や人件費)
さらに、**企業物価指数(CGPI)**も前年比+4.0%となり、企業の仕入れコストも依然として高止まりしています。
☑ インフレは生活者にも企業にも重くのしかかっています。
■ 景気に黄色信号:1年ぶりのマイナス成長
内閣府が発表した2025年1〜3月期の実質GDPは、前期比▲0.2%とマイナス成長に転落しました。
- 米トランプ政権の関税強化により輸出が減少(▲0.6%)
- 一方で**輸入は+2.9%**と増加
- 個人消費は物価上昇の影響で横ばい
これらの結果、外需は成長率を▲0.8ポイント押し下げ、景気の腰折れ懸念が高まっています。
■ 日本銀行の金融政策:据え置きで様子見
日銀は4月の政策決定会合で、政策金利を年0.5%に据え置きました。以下のような見通しと議論がありました。
- 賃金上昇と物価転嫁の動きは「持続する可能性」あり(内田副総裁)
- しかし、物価目標2%の達成時期は「やや後ずれ」へ(上田総裁)
- 追加利上げの「タイミングは見極めが必要」と慎重姿勢
■ 6月以降の焦点:国債買入れの見直しへ
日銀は、2026年度以降の国債買入れ計画の見直しを6月の会合で議論する予定です。これは、
- 長期金利の上昇リスク
- 金融政策の正常化(出口戦略)
を見据えた対応となります。
■ 結論:物価上昇 vs 景気悪化、日銀はどう動くか?
2025年5月現在、日本は「物価高」と「実体経済の停滞」という二重苦に直面しています。企業や家計にとっても先行き不透明感は強まっており、日銀の金融政策が今後の鍵を握ります。
✅ 今後の注目ポイント
- 6月の日銀会合での金融緩和修正の有無
- 米国の貿易政策の動向
- 国内賃金・消費の持続性


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