米国小売最大手のウォルマート(NYSE: WMT)は、2025年5月15日に2026年度第1四半期(2025年2月〜4月)の決算を発表しました。売上・利益ともに堅調に成長し、デジタル領域の伸びが際立ちました。
主なハイライト(2025年2月〜4月)
- 売上高:1,656億ドル(前年同期比 +2.5%、為替一定ベースでは +4.0%)
- 営業利益:71億ドル(同 +4.3%、為替一定ベースでは +3.0%)
- 純利益:44.9億ドル(同 -12.1%)
- 調整後EPS:0.61ドル(GAAPベースでは0.56ドル)
- eコマース売上:全世界で+22%
- 米国既存店売上:+4.5%(食品、ヘルスケア部門が牽引)
- グローバル広告事業:+50%成長(米国の「Walmart Connect」は+31%)
セグメント別の詳細
Walmart U.S.
- 売上高:1,122億ドル(+3.2%)
- 営業利益:57億ドル(+7.0%)
- eコマース貢献:約3.5ポイント
- 成長を牽引したのは、食品、健康・ウェルネス、季節商品の販売。
- ピックアップ・デリバリー、マーケットプレイス経由のeコマースが好調。
Walmart International
- 売上高:298億ドル(実質ベースで横ばい、為替一定ベースでは +7.8%)
- 営業利益:13億ドル(同 -17.5%、為替一定ベースでは -6.4%)
- 成長国:中国、Flipkart(インド)、Walmex(メキシコ)
- 広告事業も堅調で、Flipkart中心に+20%
Sam’s Club(米国)
- 売上高:221億ドル(+2.9%)
- 営業利益:6.9億ドル(+11.5%)
- eコマース売上:+27%、配送は160%増
- 会員収入:+9.6%、会員数と継続率も好調
財務状況と株主還元
- 営業キャッシュフロー:54億ドル(前年同期比 +1.2B)
- フリーキャッシュフロー:4億ドル(前年はマイナス)
- 自社株買い:46億ドル(5,040万株)
- 長期債:40億ドルを好条件で調達
- 現金残高:93億ドル
- 棚卸資産:575億ドル(+3.8%)
見通しとガイダンス
ウォルマートは、第2四半期の売上高を前年比+3.5〜4.5%(為替一定)と予想。2026年度通期の見通しも前回のガイダンスから変更なしとしています。
- 通期売上成長見込み(為替一定):+3.0〜4.0%
- 調整後営業利益:+3.5〜5.5%
- 調整後EPS:2.50〜2.60ドル
- 設備投資:売上比3.0〜3.5%
CEOコメント:柔軟性と長期投資を両立
ウォルマートのCEO、ダグ・マクミロン氏は次のように述べています:
「第1四半期は堅調なスタートを切りました。変化の激しい環境の中でも、私たちは柔軟性を持ちながら、長期的な価値創造への投資を継続しています。」

まとめ
ウォルマートは、eコマース・広告・会員サービスといった高成長分野を中心に好調を維持。世界的な経済不透明感の中でも堅調な業績を維持しており、今後の展開も注目されます。
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